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苦悩について

「お前は◯◯からしたら恵まれているのになぜ苦しいとか言うんだ・甘えている」
◯◯=アフリカ、貧困者、病人、紛争地帯の人

 

苦悩の発生原理

 

1.人間が自らに感じる苦悩というものは量的評価ではなく質的評価である
 一日摂取カロリーが一定以下だから苦悩がある、などではなく、食生活そのもの(カロリーは度外視されたりする)が評価される
 また、ライフスタイル(にかかるお金)ではなく、ライフスタイルそのものの質が評価される
 それらの評価は人間の内的心理システム(無意識的)が行う

2.苦悩評価システムは各人各様である
 内的心理システムは当然のことながら共通性を持つ根拠が無い。生育環境や価値観、文化、宗教により変動するものである。よって、ある状況における苦悩は各人の内的心理システムによって変わり得る

3.苦悩は減点方式である
 ある状態からの欠損こそが苦悩の本質である。「ある状態」とは、今まで達成されていた状態、または達成されていて当たり前の状態(社会通念)のことである。故に、それらとの比較、他人との比較が苦悩に影響を与える。同様に社会通念(達成されるべき状態)も時代や国家により異なるために、人間の苦悩も各時代様々である。
 平均レベルが低い社会と高い社会における個人の苦悩度(逆は幸福度)は、それぞれの社会の平均(とみなされるもの)からの逸脱度合いによって決まる。


・苦悩に対するアプローチ
1.内的心理システムの改造(人格改造、自己啓発など)
2.外部環境の改造(革命、技術革新、経済成長)
3.苦悩とみなされるもの自体の変化
 欠損とみなされていたものが欠損でなくなる状態への社会通念の移行。

例)同性愛者が認められた場合の社会における同性愛(「通常の性愛行動の欠損」、が欠損の定義から外れる)


以上を受け入れた場合、当初の「お前は◯◯からしたら恵まれているのになぜ苦しいとか言うんだ・甘えている」という文の持つ意味について

「◯◯からしたら恵まれている」
 そもそもアフリカ人やマイノリティとは比較対象とはならず、苦悩発生の比較が成立していない。仮に比較する場合にも、それであっても日本社会の通年と比較して欠損が存在しているから苦悩なのであるということには変化がない。また、内的心理システムも外国と日本では異なるため、苦悩発生要因が異なる。

「恵まれている」は苦悩を減少するのか?幸福なのか?
 物的、金銭的な恵みを実感として感じた場合、苦悩を減少する場合もあると思う。つまり「ニートをみんなアフリカに連れていって強制労働」みたいな『東のエデン』的なことで、苦悩解決はあるかもしれない。これは3.の欠損が欠損でなくなる状態である。
 だが、日本に帰ればまた自分の欠損を見せつけられるだけだろう。

 これらは内的心理へのアプローチである。外部へのアプローチや、社会通念の問題への言及は足りていないだろう。