「デスノート」ドラマ版一話が神だった
改悪、劣化と言われるが・・・
個人的には、とても好きである。
以下原作との違いを比較しながら考えていきたい。
1. キャラクター設定
評判が悪いのは主人公 夜神月(ヤガミ・ライト:通称キラ)のキャラクター設定
原作では「成績優秀でイケメン、欠点のない天才高校生。東大も軽く入学し、警察官僚を目指す正義感の強い側面を持つ」
ドラマでは、「アイドルオタクで根暗。安定のため公務員を目指すしがない二流大学生。自分さえ平安であればいい」
この点で、まず主人公がサエないキャラでツマンナイ、劣化と言われた。 実際、結構ダサい。
2.家族との関係
原作
- 警察官の父を尊敬し、妹にも誇らしく思われている。問題のない理想の関係
ドラマ
- 幼い頃に母の死に際より仕事を優先した父を嫌っている。妹にはこき使われている。ディスコミュニケーションが激しい。
これらの変更点が実際ほとんど別キャラのような印象を与えており、原作を劣化したような改悪のイメージを受ける。 しかし、あえてこれらの変更点が「面白い」とすれば、主人公が完璧でないことが「感情移入ポイント」であるということである。
安定を目指す、コミュニケーションがうまくない、怯えている、アイドルオタク。
特にいまでは珍しくない存在、我々に近い存在
それがデスノートを拾うことで自らの社会的・世界的使命に目覚め、殺人犯を中心に大量殺戮(制裁)を加えていくのである。
普通は誰もがデスノートは捨てたいし、使う理由も積極的にはない。しかし死神「リューク」は、「お前がノートを捨てれば次はもっと悪事を働きそうな『面白い人間』に渡す」とライトを脅した。それによって、ライトは、逃れられない運命としてのギフト(才能・贈り物)として、デスノートを積極的に受け入れていくのである。
第一話では、主人公のその心理的葛藤・戸惑いが長い時間描かれた。そして、悩みぬいた末に決心したとき、そこに現れた強力な敵対者である「L」の登場によって、この物語は起動したのだ。 新たな世界への強い意志をもつ「夜神ライト」と、正義を語らずして行動する「L」の命がけの執念のバトルだ
ライトの願い
それは絶望的とも言える人類の悲願
「世界の平和と安定のため。すべての人類が悲しまずに生きていける世界を作るため」
である
この圧倒的な価値転倒こそがデスノートの一番の醍醐味であり、原作において読者を悩ませ、惹きつけてきたポイントであると思う。
その点から考えるならば、これらの改変は特に大したことではないだけでなく、むしろより「ドラマ的」「現実的」であるとさえ言えるのだ。
以上の点だけでとりあえず私はこのドラマは原作そのものの再現、リメイク、リビルドとして評価できる。 彼は、悲壮な2015年に現れた「平凡なキラ」である
彼の描く革命は、現代の私達に何かをこれから投げかけてくるのではないかと思う
そして、「L」やその後継者「ニア」「メロ」 ライトの支援者「ミサ」「魅上」
魅力的なキャラクター陣が縦横無尽にこれから駆けまわってくれると思うと、ワクワクが止まらないのである。
DEATH NOTE (デスノート) 全12巻&別冊 完結セット (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 小畑健,大場つぐみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
↓関連書籍として読んでおくとこれからアツい
- 作者: ベッカリーア,風早八十二,風早二葉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1959/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (10件) を見る