『双極性障害【第2版】』加藤忠史著
6月に出版されたばかりの本(表題)を読んだ。
その分様々な最新論文にも目を通しているようで、薬効についての様々なデータを熟知している印象だった。臨床現場では忙しく処方がちゃんとされてるのかわからなくなり疑心暗鬼になりがちであるが、そのような患者も読む価値がおおいにあると思う。
このブログの筆者も双極性障害(2型)であり
・自分の病気は一体何なのか?
・なぜ苦しまねばならないのか?
・完治が無い病とか聞いてない
など、いささか絶望気味になることがあるが、正確な知識を得てこそ対処法も考えていけると思います。
本書では双極性障害の診断にまつわる難しさや、双極性障害(1型、2型)と「うつ病」の違いについても細かく書いてあります。また対処のための方法も1型、2型と分けて書いてあります。
また、多くの薬物についてそれぞれの有効性についてもわかりやすく書かれており、今現在飲んでいる薬を見直してみる、または医師ともう一度相談をしてみるなどもやりやすい内容になっているように感じました。
症例の章や実際の講演会でのQ&Aの内容も当事者にとって役立つものに思えました。
何より、双極性障害の家族の方や、職場でのメンタルケアについての理解を深めたい方にも適している読みやすい新書でした。なおかつ2019年の最新版ということで個人的には「買い」でした。
目からうろこというか、自分の今までについて考え直し、これからどうやってこの病気と付き合っていくかを考え直している最中です。薬を買えるか、新薬に期待するか、磁気治療などを使うか、心理療法や対人関係療法などの選択肢は多く提示されていました。
正確な知識をなるべく早く得たい人にはオススメいたします。