VRとエロ

エロゲーをやるためにHTC Viveを試しに買ってみた

しかしCPUがヘボすぎてまともに動かなかった。

いくつか思ったことがあったのでかいている。

・VRはそもそもエロに必要なのか?
 VRが必要だと言いたい理由にやはり臨場感や没入感等が上げられる。だが個人的には、それらの臨場感・没入感は単なる視覚的なものである。視覚的なものから一切外部へ向うことのないエロのモーメントである。つまり触覚や嗅覚を始めとして相手の物体性への知覚がすべて「欠落」しているのだ。
 これで人類補完計画は起こり得るわけがない。「他者と溶け合う」のが人類補完計画だからである。

よってそもそもVRに原理的な限界点のようなものが存在する。そこへ一旦到達した人間はどうなるか?リアルの「接触」を求めるのである。つまり風俗、つまり援助交際なるものである。

・触覚は技術の進歩が補うのか?
 これに関しても否定的に思う。まあ仮にアクチュエータやモーター制御が進歩し、いまの売られている精巧なドール類をセクサロイドのように扱えるとしよう。
 しかしそれらは永遠に自然なものとはなりえない。なぜなら「自然」の定義は「人間そのもの」であり、人間そのものはディープラーニングでは完全に模倣も予測もできない存在だからだ。つまりディープラーニングは「他者」を作ることはできないと私は考えている。

以上の2点がまずエロVRにおける原理的な困難である。

もう一点の論点として、「AIとの恋愛」について

 映画『ブレードランナー2049』ではホログラム状のAIと主人公のラブ・ロマンスのようなものが描かれた。AIは人格を持った強い人工知能セクサロイドの完全ホログラム限定版)。

 そこで生じた恋愛こそ私はエロVRが乗り越えられなかった境界を超えたと感じた。
しかしAIのホログラムは肉体を持たないため、性交渉にいたることができないという困難を抱えている。そこでAIが考えだした解決策が「セクサロイドを金で雇う」である。セクサロイド(作中ではレプリカント)は愛情が欠落したドールである。そのドールを部屋に呼び、ホログラムを完全に投影してしまう。それによって擬似的にだが性交渉に至ることができたという話である。ここもAI自身はそれを必要とはせず、単に相手に対するサービスとしてそのようなことをしただけであるという点が通常とは異なるが。(AIは現実の触覚を持たず、一切干渉することができない)。

 つまりVR的なものとして求められていたものが、実は単にホログラムであり、それが別の手段としての現実ー仮想現実投影技術によって結び付けられた、という複雑な描写である。
 単純に言えば、ちゃんとした本物の人工知能でさえば、そこのインタラクションは乗り越え可能であるという話であろうか。

ココらへんの話は完全に蛇足であったかもしれない。